忍者ブログ
  • 2024.04
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
  • 9
  • 10
  • 11
  • 12
  • 13
  • 14
  • 15
  • 16
  • 17
  • 18
  • 19
  • 20
  • 21
  • 22
  • 23
  • 24
  • 25
  • 26
  • 27
  • 28
  • 29
  • 30
  • 31
  • 2024.06
[PR]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

【2024/05/03 19:05 】 |
あやまち。
今思い返してみれば、あのときふたりきりにならない方がよかったのかもしれない。
私は今まで通り、既婚者、いや、それに限らず「パートナーがいる男性」を好きになることをしなければよかったと思う。

だって、その恋愛には未来がないのだもの。

本当に「好き」であれば、未来なんかなくてもいいのかもしれない。
でも心から好きだからこそ、手に入れたいと思うし、二人の将来の事を考えるもの。
既婚者の相手は「手に入れること」すらままならない。
普通の恋愛よりも障害が大きすぎる。

私は大きな過ちをおかしてしまった。

独身の男性で、いくらでも話があい、趣味があう人は身近にいた。
なのに私はわざわざトモさんという、手に入れられない人を選んだ。
それはただトモさんの持つ、私に対する「好き」という気持ちを受け入れたかっただけ。
トモさんにしてみれば、奥さんに背を向けて私を手に入れたことになる。

では私にとっては?

私は本当にこれでいいのだろうか。
思い直すなら今のうちじゃないのか。
きっぱり自分の主義を通すべきじゃないのか。


体を重ねながら、自問自答していた。
PR
【2011/06/08 21:28 】 | つくよみ | コメント(0) | トラックバック()
神様。
「しちゃった……」

唇を離して、つぶやく。
少しだけ顎をひいて、うなずく動作。

「どうするの?もう後にはひけないよ」

顔をトモさんの横に落とし、トモさんに、いや自分に言い聞かせるように言う。

神様。

「ひくつもりないから」



神様。。




「あんまりさ、一目惚れってないんだ、俺。
 人を好きになることもね。
 結婚してからは、ああ、ずっとこのままいくのかな、なんて思ってた。
 でも、前に写真送ってもらったじゃん?
 あの時不思議なくらい、なんかを感じたんだよね。
 会ってみたらそれ以上だった。
 なんなんだろうな」


ゆっくり、ゆっくり語るトモさん。

なんなんだろうな。

それは私も知りたい。

私にそんなに魅力があるとは思わない。
普段WEBサービス上ではトモさんと仲良くはしてるけど、それは他のネット友達と何も変わらない接触でしかない。
私もトモさんも、なんだか分からないものに惹かれてた。

あなたにはこの固いものでつながってる人がいるじゃない。
なのに、なぜ?

「うちはさ、もう終わってるんだよね」

何が終わってるの?
分からない。
分からないけれども、それ以上語らない彼。

私はそこに割り込んでいいの?
神様。
私はそこに割り込んでもいいのですか?



15
【2011/06/07 21:58 】 | つくよみ | コメント(0) | トラックバック()
つかまった。
寝てるのかな?

そう思うくらい、トモさんは動かない。
でもつないでいる手には、少しだけ力が入っている。

私はどうしたらいいの?

そわそわする。

心もカラダも落ち着かない。

少しだけトモさんに近づく。
寝ているの?
心の中で問いかけながら、顔に顔を近づけた。

その気配を感じてか、うっすらと目をあけて首をこちらに向けるトモさん。

つい笑顔になる。

緊張感はまだあるけれど、そのトモさんの動きだけで嬉しくなり、トモさんの頬に私の鼻がふれる距離まで近づいた。
体も腕も顔も触れている。
手はつないだまま。
私にはちょっとつらい態勢。

「緊張するね」

トモさんの耳元でつぶやいた。

「そだな」

そう言いながら体を私の方に向ける。
右手が背中にまわる。
私の唇がトモさんの頬にあたる。

トモさんが少し顔を動かし、唇と唇が触れ合う。

そのまま深い、深い、キス。

目を閉じ、暗い世界でトモさんを感じた。
舌先に触れる、柔らかく動くものと硬いもの。
私の中に侵入してくる柔らかいもの。
暗闇の中でもはっきりわかる動き。
その動きに合わせて私も動く。

お互いキスは初めてじゃない。
まるでダンスを踊るように絡み合い、さぐり合う。

私の左手はトモさんの腰へ。

右手はつないだまま。

そこにある小さな固いものの存在を感じながら、ずっとキスをしていた。



14
【2011/06/06 21:45 】 | つくよみ | コメント(0) | トラックバック()
温かさ。
彼と手をつないだ。

初めて触れた瞬間。

こんなとき、心臓の音が大きすぎて相手に聞こえちゃうんじゃないかしら、なんて表現がよくあるもの。
予想に反して、落ち着いていた。
ぎゅっと握り合った、トモさんの左手と、私の右手。
感じるのは手の温かさと、結婚指輪の固さ。

「結婚してるんだよな」
と思う。

会話のない時間。
つないだ手、指先だけで会話をする。
こんなとき何を言ったらいいのか分からない。
思いだけが駆け巡る。

ふいに手が持ち上げられた。
さっきまで私の手の甲はベッドシーツの感触だったのに、今度は手のひらと甲でトモさんの体温を感じることになった。

私の手を握って、自分の胸に当てるトモさん。

ねえ、何を考えているの?

ずっと目を閉じて黙っているけど。

何か言ってくれないと、何も分からない。

ねえ。

何を考えてる?



私は、何も考えられない。



13
【2011/06/05 22:45 】 | つくよみ | コメント(0) | トラックバック()
手。
約束の時間。

先日二人で会ったときとは全く違った空気が二人の間に流れる。
もちろんいつもより鼓動が早い。

そわそわ

ドキドキ

普段は二人ともおちゃらけたキャラ。
どうやってこの空気をお笑いに変えようか、とものすごいスピードで考えているとトモさんが一言

「会えたね」

トモさんの真剣さが伝わってきた一瞬。

「うん」

会えた。
ふたりきりの時間が始まった。
おちゃらける必要なんかないんだ。
真剣に相手に向き合わなきゃいけない。

瞬間的に気持ちが切り替わる。

初めての二人だけの時間。
ここなら誰も私たちが会ってる事を見ることもできない。
小さな部屋。
大きなベッド。
何も、誰も、邪魔することはない。

「あぁー!」

トモさんは目の前の大きなベッドに大の字で寝転がった。

「いやー、なんか緊張するなー」

そんな当たり前の事を口にしながら、ベッドをポンポンと叩く。

「そだね、ちょー緊張する」

自分のカバンをソファに置き、自分の居場所を探す私。

再びポンポンとベッドを叩くトモさん。



「こ こ に お い で」



そう気づくまで時間はかからなかった。
でもいきなり30cm以内の距離に近づくなんてできない。
ベッドのふちに腰をかける私。

「てゆーかさ、ほんと大丈夫なの?こんなとこきて」

笑いながら声をかける。

「大丈夫じゃないと思う。でも会いたかったから」

オフ会では見せない、真剣な目。
いつもの私なら「奥さんがいるのに、なんてことを」と思うけれど、そんな気持ちは飛んでしまった。
奥さん、ごめんなさい。
私はこの人との距離を縮めます。

彼の手に触れる。

その手をぎゅっと握る彼。

「やっと、手をつなげた」



12
【2011/06/04 22:12 】 | つくよみ | コメント(0) | トラックバック()
| ホーム | 次ページ>>